業者切り替えのタイミングで利用率は80%近くまで向上しました – サン・レモリハビリ病院

長崎県佐世保市
医療法人 心々和会 サン・レモリハビリ病院
理事長 浅井貞宏様(中央)
看護部長 森節子様(右)
副看護部長 官直美様(左)

「人々の心が和む温かな医療・保健・福祉サービスを提供し、地域に貢献します」を基本理念とし、療養病床での医療サービスを提供している。
看護部の方針は「安心・安全な看護、介護の実践を掲げ、事故のない援助をいたします」

病床数:216床(完全医療療養型)

入院セットを導入したものの、利用率に課題があった

ーー2017年より別の業者で入院セットを運営されていました。こちらの導入のきっかけを教えてください。

以前契約していた業者さんの取引先の職員さんと、当院の理事長が元々同僚だったようです。そのつながりから営業を受け、病院としての導入が決まりました。本音を言うと、当時は看護部として、この入院セットの導入には頑なに反対だったんです。

ーー導入を反対されていた理由をお聞かせいただけますか?

当院は完全療養型ということもあり、どうしても入院期間が長くなってしまうんですよね。以前の入院セットは価格が高く、毎月の負担が約4万円となっていました。入院セットの内容に対して価格が割高だなと前から感じていたんです。当時は病棟の師長達からも価格について否定的な意見が多かったです。現実的な話、当院に入院される方は農家の方が多く、国保のため支給される年金額も少ない方が多いんです。これ以上の経済的な負担をかけたくないというのが当時の本音でした。
更に正直に言えば、しつこい営業の仕方も気になりましたね。主担当だった営業の方は控え目だったんですが、責任者の方や、その取り巻きの営業がしつこくて目に余るものがあったのも導入に反対していた理由の一つです。

ーーそういった状況の中で、入院セットを導入することで、どのようなメリットがあると考えていたのでしょうか?

当院は佐世保の市街地からは離れた大島という島の中にあり、島内にはスーパーやドラッグストアがありません。買い物をできるのは院内の売店しかないんですよね。
そのような事情もあって、基本的にご家族に依頼して紙おむつやケア用品を病院までお持ちいただく必要がありました。やはりそうなってくると、どうしてもタオルをはじめ消耗品やケア用品・紙オムツが足りなくなることがあったんです。
その度にご家族に電話をするのですが、電話をかける病棟スタッフも、病院から電話がかかってくるご家族にとっても大きな負担となってしまいますよね。今はみなさん働いていらっしゃる方が多いので電話が一回で繋がる事もまれだったりしますし・・・。
くわえて遠方の方はどうしても病院まで来ることが困難な方もいます。そういった方は現金を病院で預かっていました。病棟のスタッフが家族の代わりに売店まで買い物へ行き、預かっていた現金から支払いをしていたのですが、現金の預かりはトラブルの原因になりかねないので止めたいと思っていました。現金の預かりは皆さんやめたいのではないでしょうか。

ーーご家族への連絡は、お互い負担になってしまいますよね。その他入院セットでどういった課題が解決できると見込んでいたのでしょうか?

他の病院でも同じ課題があるかと思いますが、ご家族に病院へ持ってきてもらいたい消耗品、特に口腔ケア用品の説明がむずかしいんですよね。
吸引ブラシなど日常生活であまり使わないものは、ご家族からして見るとどんな物を選べばいいのか全く分からないと思うんです。ドラッグストアの店員さんも口腔ケア用品に理解があるとは思えませんし・・・。こちらとしても可能な限り説明をするんですが、ほとんどは電話口でお伝えすることになるので、細かく説明することにも限界があるんですよね。依頼してみたけれど、微妙に違うものをお持ちになるケースがとても多く、お互いに手間がかかるしもったいないし・・・とても申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
入院セットの導入後は申し込みさえして頂ければ看護師やケアスタッフが自分たちで院内に保管してある入院セットの在庫の中から何を使用するか判断することができます。その点に関しては現場も家族もストレスが少な済んでいるなと感じています。
でも、実際には消耗品よりも紙おむつの持ち込みの方に課題があったかも知れません。

ーー紙おむつの課題について具体的にお聞かせいただけますか?

各種ケア用品と同様に、ご家族は紙おむつに対して専門的な知識があるわけではありません。どうしても安いものを買ってこられるのですが、そういった紙おむつは吸収量が非常に少ないんですよね。なので1日8回程度は交換が必要でしたし、漏れにつながりやすく患者様のご負担になっていました。
加えて、アウターごと交換しなければなりませんし、場合によっては衣類やシーツ類の交換も必要になります。現場からするとかなりの重労働になってしまいます。そんな状況を聞き取ってもらい、以前の会社の担当者がユニ・チャームのライフリーを勧めてくれました。それまで使っていた紙おむつよりも高いスペックの商品で、交換回数が少なくてすむという話だったんです。
そのような経緯もあって早速サンプルを頂いて実際に病棟で使ってみました。サンプリングの結果これなら今よりも交換回数を削減して業務効率が上がりそうだという実感を持てました。夜間の交換も減らすことが出来たので患者さんの安眠を阻害することも無くなったなと感じています。

低利用率だと現場の負担が軽減しきれない

ー実際に入院セットを導入してみて、利用率はどのくらいでしたか?

当時は価格が高かったせいか、50%くらいの方しかご利用いただけませんでした。

正直に言うと、私たちが導入に前向きではなかったこともあり、説明がしづらかったというのも原因かも知れません・・・。自信が持てなかったと言うところでしょうか。
一方で、利用率が半分というのも不便に感じていました。電話連絡の手間こそ減ったものの、どなたが利用しているかが分かりづらいんですよ。病衣を着ている方は利用しているなというのはなんとなく分かっているのですが、配り間違えなども発生してしまいます。
物品が不足した際に電話連絡するべき方なのかの判別も非常にしづらく、半数という利用率では入院セットのメリットを活かしきれないというのが正直な感想です。

ーー多くの方から伺いますが、やはり利用率が高くないと業務効率が上がりづらいようですね。業者の対応などはいかがでしたか?

これは正直に言いますが、導入時の担当者以外は本当に対応がよくなかったです。というのも導入後に割とすぐに担当者が変わったのですが、新しい担当者は全然病院に来てくれませんでした。
それ以降の担当者の変更も多く、来る度に担当が変わっていましたね。理由を聞くと毎回毎回「退職しました」とのことなので、労働環境に何か課題があるのでは?と不安に感じていました。たまに病院に来たとしても以前のように病棟など現場まで足を運ぶことはなく、全然現場の意見を拾ってくれなかったことも本当にストレスでしたね。
導入時の担当者は、導入前も導入後も本当に一生懸命に頑張ってくれたんですよね。導入前には、すでに入院セットを導入している病院への見学会を企画してくれたり、ご家族への説明会を開催してくれたり、私たちが導入に前向きでないにも関わらず各部署との調整をしてくれたりと。なかなか現場の協力を得れない中で苦労されていたかと思いますが、本当に少しでも導入がうまくいくように工夫してくれました。
導入後もこまめに状況を確認しに来てくれて、どうしても自分が来れない時には代わりの人が来てくれました。代わりに来てくれる方も
病院の状況をよく把握されていたので、情報の共有もしっかりしていたんだろうなと思います。おかげさまで実際にはじまってみると、電話連絡の手間も削減できたし入院セットのメリットを感じることができました。

ーー入院セットが便利なことを実感しつつも、価格や利用率、業者の対応について不満があったわけですね。次はリンクウィズを知ったきっかけを教えていただけますか。

病院として入院セットとは別に取引のあった業者さんが、リンクウィズの遠井社長を連れて来られました。それがきっかけですね。
実を言うと、前の業者の入院セットの導入時の担当者が遠井さんだったんですよね。前の会社を退職したことは聞いていましたが、独立されたと聞いて驚きました。
久しぶりに会った遠井さんは「パソコン一つでも仕事ができる環境をつくるんです!」なんて力説をされていました。笑 おそらく久しぶりに病院に来た当初は入院セット以外の事業もしていたんじゃないでしょうか。
それからは本当にふらーっと用事もなく何回も足を運んでは、お茶を飲みながら世間話をよくしましたね。その度に「頑張りなさいよ!」とは言うものの軽はずみに契約するとかそんな
ことは言えないまま時間が過ぎていきました。
そんな状況なのに遠井さんは無理なことを言わないんですよね。「看護部長に会いに来ただけなんで気にしないでください」ってケロッとした顔をして言うんです。
遠井さんの以前からの頑張りや人間性を私も師長たちも知っていましたし、独立されてからさらに人間性に磨きがかかったように感じました。「これから入院セットの事業をはじめる」と聞いた時は、リンクウィズさんに任せたいという気持ちになっていましたね。いつしかリンクウィズに入社してくる人も増えてきて、新しく集まってくる仲間にもとても好感を覚えました。素直で明るい人ばかりだなと感じます。

ーーご評価いただきたいへんうれしいです。どのようにして切り替えを進めていったのでしょうか?

入院セットには契約期間があるため、すぐに切り替えというわけにはいきませんでした。

正直なところ私自身は、もう前の業者さんの契約を更新する気はなかったので、そのタイミングに合わせてリンクウィズさんへの切り替え準備を進めました。事務長や院長、理事長にリンクウィズの推薦をこっそり続けて、まずはなんとか系列の佐世保国際通り病院でリンクウィズさんとの契約を決めることができました。笑
予想通りではあったのですが、佐世保国際通り病院の事務長・看護部長からの評判がとてもよかったんですよね。私としては正直とても嬉しかったのを覚えています。

ーーどのような話を佐世保国際通り病院からは聞かれていましたか?

そうですね。導入前に綿密な打ち合わせをしてくれたと聞きました。実際には何回か私も同席したんですけどね。笑
そこで価格やプラン内容の調整をかなり丁寧に行い、病院の希望する価格におさめていただくことができたようです。以前の業者さんと比べると、月々のご負担は1万円くらい安くなりました。
その他にも契約切り替え時のご家族への説明方法や日程、切り替え後の説明資料や関係部署との打ち合わせも丁寧に一つずつやってくれたようです。病院側も気持ちがノリますよね。頑張ろうって。そのおかげか、開始時から入院セットの利用率はほぼ100%で、業務効率がとてもあがったという評判を聞いていたんです。
そんなお話を聞いてると、自分たちも契約更新のタイミングでは必ずリンクウィズさんに切り替えたいと余計に思ったと言うのが正直なところです。

業者の切り替えで利用率以外にも好影響が

ーーリンクウィズへ切り替えいただきありがとうございます。切り替えの際のお話をお聞かせください。

まずは価格を下げれないか相談しました。入院セット自体がいいものだとは思っていましたので、価格を下げて利用率を上げたかったんですよね。各所と調整いただき、当院でも月々1万円近くの患者様負担を減らせる価格にしていただきました。
これなら自信を持ってご案内できると思い、実際に切り替えのタイミングで利用率は80%近くまで向上しました。利用率が向上したことで、提供できる方が増えたため、電話連絡は目に見えるように削減できましたし、利用されているかの判別の手間も更に少なくなりました。
また、当院でも新型コロナのクラスターが発生してしまった際の対応もとても素晴らしかったです。具体的には、感染された方は入浴の介助が出来なかったのですが、災害用の大きなディスポタオルを担当の綱田さんが急いで持ってきてくれたんです。通常のディスポタオルよりも厚手で入浴できない患者さんの清拭に便利でした。併せて着せた後に廃棄しても良い病衣をかき集めてきてくれて助かりました。患者さんが着た後の衣類を一次消毒しなくてもそのまま廃棄できるのはとてもありがたかったです。

ちょっとした気遣いがありがたいですよね。クラスターが発生した時の入院セットに必要なものもよく知っていて、プッシュ型で支援してくれたのはとても好印象でした。今でも災害用ディスポタオルは備蓄させてもらってます。

ーー切り替えのタイミングでおむつのラインナップをリニューアルしましたが、いかがだったでしょうか?

紙オムツもユニ・チャーム社の最新製品に切り替えていただき、とてもよかったですね。一日の交換回数が4〜5回まで減りましたし、リンクウィズさんと共催でおむつの勉強会もしてくださって本当に満足しています。メーカーのアドバイザーさんとの連携もとても良いですよね。以前と違って最新の商品の紹介や勉強会の提案が多くなりました。アドバイザーさんも他社と違ってリンクウィズさんは新商品の採用に積極的なので病院にも紹介しやすいと話していました。
もう一点、担当の綱田さんが各商品の在庫量をチェックしてくれて、とんでもない量が置かれていた在庫を半分以下にしてくれました。前の業者は入れっぱなしで在庫量のチェックもしてくれませんでしたから。広大なスペースを取っていて、すごく気になっていたんです。

ーー業者を切り替えたあとに予想外だった効果はありますか?

まず切り替え時に以前の業者さんと協力関係にあったリネン業者を継続して契約いただけたことが助かりました。中には現状の業者さんを全て変えないといけない業者さんもあるようですが、リンクウィズさんからは協力の提案をいただきました。
どうやら提携業者との関係性もいいようで、その他消耗品や紙おむつの業者さんともうまくいっているように感じます。このあたりを含め、とても対応がよくフットワークが軽いと思いますね。
協力する業者間がギクシャクしていると対応が遅くなったり悪くなったりするんだろうなと感じています。

ーーこれから入院セットを導入される方へアドバイスはありますでしょうか?

確実に言えることは、入院セットは便利なので導入した方がいいですね。ただし、導入前に綿密な準備をすることが前提です。
最初にもお伝えしましたが、わたしたちは導入に反対でした。笑 なぜなら内容に対して価格が高かったからですね。価格の折り合いをつけないといけないので、しっかりと業者さんと交渉する必要があるように感じます。
自分たちがご家族におすすめしやすい価格帯で高い利用率が確保できれば、本当に現場の業務効率化につながります。その辺の価格感はリンクウィズさんに正直に相談してみればいいと思います。病院の収益、患者さんの負担、周辺の病院とのバランスを考えて価格も内容も提案してもらえると思いますから。

その他に注意するべきところがあるとしたら、導入後の対応でしょか。今は私たちが入院セットを導入した頃に比べて、比較対象になる会社がありますから周辺の病院に評判を聞いてみてもいいと思います。

ーー今後の展望や、リンクウィズに対する期待があれば教えてください。

リンクウィズさんは社長の遠井さんの人柄なのか、集まる人も明るくて相談しやすい方が多いですね。どんなことを相談しても、まずは出来るのか考えた上でお返事をいただけます。回答までの速さも好印象ですね。
遠井さん個人で考えると、前職の時からもう9年以上の付き合いになり、もはや腐れ縁だと感じてます。
最近は従業員も増えて、こんなにもいい仲間たちに囲まれて仕事ができるようになって、本当によかったなと喜んでいます。これからも集まったみんなを大事にして、今後も入院セットの運営を続けてほしいですね。
当院としては、今後さらに利用率を伸ばしていこうと話をしています。せっかくなので100%の利用率を目指そうと思いますね。リンクウィズさんには相談をすることもあると思いますが、これからも長いお付き合いをよろしくお願いいたします。